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水生生物調査とは調査の前に道具の用意安全のために現地調査調査のまとめ

調査の前に

川を選ぶ
  • まず、最初に自分たちが調べたいと思う川を選んで下さい。
  • 自分たちの住んでいる町を流れる川や、日曜日や夏休みなどを利用して家族や友達と釣りや川遊びによく行く川など、身近な川がいいでしょう。
  • そして、図書館の本で調べたり、インターネットを活用したり、いろいろな人々から話を聞いて、その川の全体像をおおよそつかんでおきましょう。
  • おじいさんやおばあさんが子どもだった頃の川の話を聞けたら、現在の川の様子とかなり違っていたのではないでしょうか。

調査場所
調査にふさわしい場所の考え方
  • 調査をしようとする川は、川幅の広い大きな川ですか? 山よりの小さい川でしょうか? 川の生き物は、よほどひどい環境でない限り、あらゆる環境の川で見られます。これから、選んだ川にはどのような生き物が生活しているかを調査しますが、同じ川の中でもみんなで調査しやすく、多くの生き物を見つけられる場所を選ぶことが重要です。また、他の場所と比較する場合、ある程度の決められた条件で調査場所を選ぶことが大切です。
調査に適した場所
瀬(水深が浅く、流れが速いところ)の広い場所が理想的です。
具体的には以下の2つの条件のような場所か、それに近い条件の場所がよいでしょう。
  • 水の深さが30cm位で、流れのある(流速30〜40cm/秒位)場所
  • 川底にこぶしや頭位の大きさの石が多い
ただし、調査地点の近くに、川底が砂や泥で覆われているところしか見つからない場合には、そこで調査してもかまいません。
また、生物の調査は川岸から少し離れたところで行うのが原則ですが、岸に近いところでも調査して下さい。
岸に荷物をおいたり、作業をする河原などのスペースがあると都合がよいでしょう。
さらに、以下のような場所を調べると、より多くの生き物が見られたり、違った生き物が見られるかもしれません。

なお、本流から離れたワンド(*1)やたまり(*2)は調査記録を別にして下さい。

  1. 瀬の石の間にすきまが多く、落ち葉がたまっている場所
  2. 川底の石にコケが生えている場所
  3. 落ち葉や枝のたまった淵やたまり
  4. 水際に草の根や茎がつかっている場所
  5. 水の滴り落ちる小さな流れ
*1 ワンド,*2 たまり とは:

川岸付近や河原にある流れがほとんどない場所あるいはたまり水。大型のものをワンドという。泥底で落葉がたまっていることが多い。本流と異なる生き物が見られることが多く、水質はきれいでも、やや汚れた水域の生き物が生息することもある。


調査に適さない場所
川の生き物が少なく、調査に適さない場所があります。
  • 川底が一面コンクリートの場所
  • ヨシなどの植物が川全体を覆っていて流れが見えない場所
  • 水の流れがない場所
上記の場所で川の生き物が少ない理由
川底が一面コンクリートの場所
  • 生き物が生息できる場所が少ない
  • とくに急な流れや洪水から避難したり、または天敵からかくれる場所がない
ヨシなどの植物が川全体を覆っていて流れが見えない場所
  • ヨシなどの植物が生えていても、水深が一様に浅く、砂や泥が多いため、さまざまな生き物が生息するには単純すぎる
  • 日光が川底までとどかないため、藻(も)などが発生できずに、それらを餌とする川の生き物が少ない
  • ヨシがうっそうと生えると、水生昆虫の親(成虫)が飛翔したり、なわばりをつくる場所が水面上にない
  • 河川の改修工事を行ったあと、流れが広くて浅くなった川にできることが多い
水の流れがない場所
  • 水の無い乾いた場所では水生生物の生息はむずかしい