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現地の下調べと調査場所の選定
調査する場所を書き入れた地図をもって、下調べのために実際に調査する場所を見に行ってみましょう。その時には次のようなことに注意して、現地を見ておいて下さい。
あらかじめ十分な時間をとり、現地に行って、調査場所の様子やその場所に行くのに必要な時間、川の流れの速さや深さ、川底の状態、調査場所への入りやすさ(土手などから水際までのルート)などを調べておくと、調査の時に無駄な時間をなくすことができます。
調査を行う川は、大きくても小さくても構いませんが、水の深さが30cm程度で、流れのある、川底にこぶし大から頭位の大きさの石が多く、調査しやすい場所が適しているので、そのような場所を選定します。

地図について
地図には、描かれている範囲が異なる様々な縮尺の地図があります。比較的大きな川で流域全体の様子を知るためには、都道府県地図や日本地図が必要です。自分たちの住んでいる市町村地図や国土地理院発行の地形図(2万5千分の1、5万分の1、20万分の1の地図があります)は情報も詳しく便利ですが、示されている範囲が狭いため、流域全体をみるためには、何枚もの地図をつなぎあわせる必要があります。

水系について
川は上流の水源から河口まで1本の流れからなるのではなく、上流の小さな流れが集まって、順々に合流をくり返しながら次第に大きな川になります。このように、本流、支流をふくめた川筋のすべてをつないだ線を水系といい、地図から水系をぬき出して表したものを水系図といいます。

集水域について
集水域は流域ともいいます。降った雨が一つの水系によって流される区域のことをいいます。隣り合った集水域は一般に尾根筋など(尾根筋を境にして、こちら側に降った雨はこちら側の流域に、向こう側に降った雨は向こう側の流域に流れていきます)で分けられますが、都市や平野などでははっきりしない場合も多いことが知られています。

浅瀬について
石ころの多い浅瀬には水生生物が多く生息しているので、このような場所が適当です。水深が30cm程度以上(目安として、ひざより深くなる)になると、川の流れが速い場合、立っているのが難しく危険です。また、たとえ転ばなくても、調査するのが難しくなります。

注意するポイント
調査場所に行くのに必要な時間
・どのくらい時間がかかりますか
調査場所の様子

・川幅はどのくらいですか
・堤防や護岸はありませんか
・川に流れこんでいる小さな流れや水路はありませんか
・川の上流や下流にダムや堰、水門などがありませんか
・川で働いていたり、遊んだり、散歩をしている人はいませんか
・水の中や周辺(水面上、河原など)に何か生きものはいますか

川岸の状態

・川岸は泥ですか、砂ですか、石ですか、岩ですか、植物におおわれていますか
・コンクリートなどの護岸で固められていませんか

川の流れの速さや深さ

・瀬(水深が浅く、速い流れ)や淵(水深が深く、ゆったりした流れ)はありますか
・水の量はどうですか(多いですか、少ないですか)
・水の流れは速いですか
・水の深さはどうですか

川底の状態
・川底は泥ですか、砂ですか、石ですか、岩ですか、コンクリートですか
水の状態

・水は濁っていますか、澄んでいますか
・変な臭いはしませんか

川の周辺の状態
・周辺は森林ですか、田畑ですか、人家が密集していますか、工場ですか
調査場所への入りやすさ
・水際に容易に近づけますか