
例年7月20日頃

近隣には、全国初の水産専門の科学館である「岩手県立水産科学館」があり、毎年7月下旬から8月まで「磯の生物展」が開催され、浄土ヶ浜に生息する魚介類や藻類を展示し、一般利用者に対して環境保全の重要性を啓蒙しています。また、宮古港を見下ろせ、多くの植物を見ることができる「臼木山」があり、春には100種800本の桜が自然の彩りで心を和ませます。

ゴールデンウィークには霊鏡祭を皮切りに「浄土ヶ浜まつり」が、秋には「サンマづくし」が盛大に行われるなど、四季を通じて様々なイベントが開催され市民をはじめとして多くの観光客が訪れています。浄土ヶ浜観光船は毎日就航しウミネコの餌付け体験が、また、モーターボート観光及び貸ボートによる自然観察体験が人気を博しています。シーカヤック体験試乗会もグリーンツーリズムの人気メニュー、「サマーナイトハイク」「ぐるっと浄土ヶ浜めぐりツアー」では、参加者にネイチャーゲームやクイズ、自然解説を行い、景観のみならず、磯の生物観察や植物の観察、自然音を聴取するなど、様々な自然体験の楽しみを提供しています。
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太平洋に面して、朝日が美しく、海岸線は、白い流紋岩(石英粗面岩)の断崖や奇岩がノコギリの刃のように東南に突き出しています。その純白の岩肌に自生する赤松の緑が、海の群青とのコントラストを、清涼感いっぱいに映し出し、類まれな景観を創り上げています。

浄土ヶ浜の地名は、天和年間(1681〜1683)に宮古山常安寺七世の霊鏡竜湖が、「さながら極楽浄土のごとし」と感嘆したことから名付けられたと言われています。日本を代表する詩人であり童話作家の宮沢賢治も浄土ヶ浜を訪れ、白い岩に規則正しく並べられた昆布干しの情景を歌に詠んでいます。「うるはしの 海のビロード 昆布らは 寂光のはまに 敷かれ ひかりぬ」

豊かな自然を伝承しようと、ボランティア団体による清掃美化活動が特に盛んです。浄土ヶ浜をきれいにする会は、昭和43年4月に設立され、自然保護思想の普及・美化清掃などの活動を継承実施してきました。現在は30を超える事業所・団体の会員を有し、行政からの支援も受け、主に、会員による自主的清掃活動や委託による通年美化清掃活動及び市民参画による自然公園クリーン作戦を毎年実施しています。さらに、自然公園保護管理員を浄土ヶ浜地区に2名配置して、自然景観・動植物保護やそれらの普及啓蒙活動に努めています。公園内の自然歩道は安全に清潔に維持され、親水空間を演出しています。 |