


九州中央山地国定公園の綾照葉樹林地帯。
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照葉樹林内に無数に点在しておりその水量は定かではないが、綾北・綾南川の両河川へと流れ出ている。

照葉樹林の深い森に抱かれた貯えた水が、綾北川、綾南川となり、大地を潤しそこに住むものを育む。また、清涼な湧水と、水資源の保全や水を活かした地域づくりがすすめられている「水の郷」。綾は昔からきわめて水の利のよい場所とされ、宮崎や佐土原へ向けた荷物の運搬も、もっぱら川船が利用されていた。綾北川、綾南川に挟まれた地域には、自然がつくった溜め池などを利用する水田がひろがり、鯉や鮎といった川魚は子供でも容易にすくえるほどだったという。しかし、その一方で両川に挟まれていることから、台風、大雨のたびに大水に見舞われた歴史があり、度重なる大水に川岸が壊され、田畑、家財が流出する被害が相次いだ。昭和30年代半ばになって、綾北、綾南の両川にダムが建設され、それとともに流域が守られ、農業の近代化も進んできた。綾の名水は、どこか特定の場所からの湧水というわけではなく、照葉樹の森を源として流れ出す水が全て名水である。この美しい水と環境を守るため、町民総出で綾北、綾南の両川をはじめ、地区内の水路を一斉に清掃する運動が続けられている。

綾町水を守る会等が中心となり、地元住民が清掃などを行い水質保全活動等を行っている。
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